弔いの木遣り歌

『祭りののどにも、龍角散』
龍角散ダイレクトのCMで神田祭の木遣り(きやり)の歌声を耳にした方も多いのではないでしょうか?

『木遣り唄』と言えば、新年に法被(はっぴ)姿の方々が、梯子(はしご)の上で様々な技を披露されたり、大きな纏(まとい)を華麗に振ったりされている周りで、大勢の方々が歌っていらっしゃる唄…というイメージではないでしょうか?
これは出初式(でぞめしき)と呼ばれるものです。

約350年前、火災の復興作業中の江戸市民に向け、大きな希望を与えるために上野東照宮前で1月4日に当時の火消しを担っていた鳶職の方達がされたのがはじまりとされ、現代までお正月の恒例行事として受け継がれています。
どうして鳶職人が町の火消をしてたのか?現代では関連がなさそうな職業に思えますよね。
当時は火事が起こると周りの家を壊して燃え広がりを防ぐ『破壊消防』という方法を使っていたため、家の壊し方を知ってる鳶職の方が火消しの役目として活躍されていたのだそうです!

そもそも木遣り唄とは何でしょうか?
これは労働歌の一種と言われています。
現代では『江戸木遣り唄』というのが有名ですが、江戸時代には屋敷や寺院の建設のために全国各地から数多くの職人が集められていたので、全国各地の労働歌が歌われていたそうです。
労働歌は建築の基礎を固める鳶職人が大勢で材木や石材等を運ぶ際に、リーダーがチームの力を1つにするための掛け声のように歌ったのが始まりと言われています。
「田唄」「日光」「酒田」「越後」「軽井沢」など、今でも残る曲の名に労働作業や各地方の地名が入っています。

労働歌である木遣り唄は時代と共に磨き上げられ、祭礼の際に祝賀の意を持つようにもなり、江戸時代末期頃から儀式唄として歌われるようになったそうです!

木遣り唄の歌い始めは『真鶴(まなづる)』という『鶴の一声』に因んで命名されたと言われる非常に甲高い大きな声ではじまります。
「一緒に唄いましょう」という呼びかけや号令の役割のあるパートです。

建設関係、消防団関係などにゆかりのあった方のお葬式でも、式の中で弔いの「木遣り唄」を唄われることがあります。
先日お手伝いさせて頂いたお式では、約20名ほどの法被をお召しになった方々が一斉に故人に向けて唄を届けられました。
力強く伸びやかな歌声は、遺された人々の悲しみ、故人様への祈り…そして、かつて同じ法被を纏った故人様と笑顔を共にされていた日々を思い出させるように感じます。

亡くなった仲間のために……
そんな想いを体現される歌声に、とても心を動かされた梅本でした。

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